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公開処刑はお祭り騒ぎ(6月3日 晴)

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19世紀序盤、ヴィクトリア朝になる少し前のイギリスの漫画を描きたいと思ってしばらく図書館に通って資料を探してみた。なんでヴィクトリア朝以前かというと、ひとえに残酷な刑罰のシーンがある漫画にしようと思ったからに他ならない。ヴィクトリア女王の治世の頃には罪人への刑罰は監獄内で行われるようになったが、それ以前は公衆の面前でたっぷり一時間ほどもかけて絞首刑を行っていて、ちょっとしたお祭り騒ぎになっていたという。処刑場の側の見晴しの良い部屋が高値で貸し出され、貧乏人は屋根に登り、立ち見の観衆はこぞって腐った野菜や糞尿を罪人に投げ付けたそうだ。そういう漫画はどうかなー、などと気楽に思い付いて資料を漁っていたのだが、調べてみれば調べるほど、資料の確保や考証が難しく、一朝一夕にはいかない題材だと思い知り挫折した。いつか再挑戦したいと思っているのだが、同じような理由で魔女狩りの漫画を描こうと思って挫折したり、中世都市漫画を描こうと思って挫折したり、少年十字軍漫画を描こうと思って挫折した事がある。いつかなんて言っているようではそんな日はいつまでも来ないって事は、自分が一番よく知っている。