DOUJIN リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 同人活動では、おもに『ティッツィ・モルガネ』というキャラクターと、 『LongLongHairGirls』というシリーズで髪の長い長い女性たちのイラストを描いています。コミティアに毎回参加している他、BOOTHにて通販を行っていますが、 とらのあな・メロンブックスの各同人ショップに委託しているものもあります。また、PIXIV FANBOXにてレシピやメイキング、イラストなどの先行公開等も行っています。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ
笠井スイさんと、旅の仲間たち 2025年9月12日、漫画家の笠井スイさんが亡くなった。彼女とは雑誌「Fellows!」(のちの「ハルタ」)創刊時に同じ1号目から掲載された新人作家どうして、当時のFellows!は頻繁に作家を集めた合宿という名の漫画勉強・交流会を開いていたため、格別親しい間柄ではないものの面識はあった。私が「Fellows!」を去ってからは交流が途絶えていたのだが、近年コミティアの会場で再会し、あれやこれやの楽しい談笑をした矢先であった。本当に、本当に残念としか言いようがない。 前述の通り、笠井さんと私とは格別親しい間柄ではなく、また彼女については妻である沖乃さんが noteに追悼文を書かれている ので、まずはそちらに目を通していただきたい。ただ、あまり関わりのなかった外様の人間から見た話というのも、笠井さんを形作る想い出の一部であり、私を含めた彼女の死を悼む多くの人たちにとっては、もう少しだけ彼女について知ることができる機会になるかもしれない。ここに思い出せる限り、笠井さんについてのことを書き記しておく。 雑誌「Fellows!」は2008年10月14日に創刊された。月刊コミックビームから森薫・入江亜季(※1)ら複数のレギュラー作家を引き抜くとともに、新人作家を積極的に起用するスタイルで、私も笠井さんもそうした「新たに起用された新人作家」のひとりであった。私は初の連載作『蝋燭姫』を1号目から掲載し、笠井さんは同号に『花の森の魔女さん』という読み切りを掲載した。笠井さんのこの短編は読者に好評を博し、新人のデビュー読み切りながらアンケートで上位を獲得する。ちなみに1位は森薫『乙嫁語り』の第1話で、私の『蝋燭姫』が4位。はっきりとは覚えていないものの、笠井さんは確か2位か3位で、私より上だった。まだ20代でプライドがエベレストだった私は大層悔しい思いをして夜な夜な枕を涙で濡らしたわけだが、それゆえに笠井さんの名前・作品もすぐに覚え、注目していくこととなったのであった。 「Fellows!」とは「仲間たち」という意味で、イラストレーターの碧風羽(※2)さんの手がけた創刊号の表紙は、その雑誌名にふさわしい「焚き火を囲む旅の仲間たち」のイラストだった。ページをめくると入江亜季さんのカバーストーリーが出てきて、これまた武器を持った旅の冒険者たちがずらりと並んでいる。当時の私はこの二つを見て映... 続きを読む
宮田紘次さんという漫画家(10月28日 晴) 2015年10月22日、漫画家の宮田紘次さんが亡くなった。高血圧性の脳出血で、まだ34歳の、作家としてさらなる活躍が期待される時の出来事だった。 私と宮田さんとは、それほど親しい間柄であったわけではない。お互い電話番号もメアドも知らないし、プライベートでの付き合いも無かったが、飲み会大好きなフェローズ(現ハルタ)の合宿や飲み会に参加した際は、いつも漫画の話をずーっとしていた気がする。その頃の話を、自身の気持ちの整理も兼ねて、できるだけ思い出して書いてみた。あまりな急逝に戸惑っているであろう宮田さんの作品の読者の方々が、『宮田紘次』という漫画家の一面について、多少なりとも知る機会になればと思う。 宮田さんと最初に会ったのは2006年の暮れだった。9年前になる。11月に月刊コミックビームの新人を中心とした読み切り企画本「コミックビームFellows!」が出版され、その打ち上げでの事だった。これは後に「Fellows!」として独立創刊され、今の「ハルタ」に繋がることとなる。宮田さんのデビュー作の14ページ漫画「猫でタンデム」は、この「コミックビームFellows!」に掲載されたものだった。前年の2005年にデビューしたばかりの私も、同じ本に自身4本目の読み切りを載せていた。 その打ち上げだが、二次会をホテルの一室を借りておこなうという豪華なものであり(※1)、部屋には大量のスケッチブックとマジックが用意されていた。おまえら漫画家はどうせシャイで口下手で人付き合いが苦手なんだから、得意な絵でも描いてコミュニケーションをとりやがれという、編集部の粋な計らいである。誰ともなくそれを手に取り絵を描きはじめ、わいのわいの騒いでいたのだが、いつしかそれは 『第一回お前が一番かわいいと思う女の子を描いてみやがれ選手権』 へと変貌を遂げていた。森薫(※2)や入江亜季(※3)といった当時すでに高い評価を得ていた作家陣が、きゃあきゃあと騒ぎながら自分の好きな女の子を描き、他の新人作家にもほれ描け見せろと強要する、地獄絵図である。私も宮田さんも、その地獄の輪の中にいた。それが初対面だった。 次はお前の番だとばかりに、マジックとスケッチブックを渡された宮田さん、動じることもなく、すらすらと下書きもなしに女の子を描いていく。眉毛がふとく、おでこの出た、ショートカットで、唇の厚い女の子。最初に顔の... 続きを読む