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美しければそれでいい(12月20日 晴)

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進みの悪い原稿の合間の息抜きに、軽くシムーンの話でも。 ペン入れ中に録画したシムーンを流していたのですが、今回初めて、あ、最終回のアルクス・プリーマ内のラクガキって、あれパラ様とモリナスが描いたんだ、と気付きました。で、よくよく見返してみると、フロエとかは彫りが深いけど、ユンとかは彫りが浅かったりして、あ、深い方はモリナスが彫って、浅い方はパラ様が彫ったって事か! と、ようやく理解しました。リアルタイムで見てた時、最後の最後に短く横PANで入っただけだったとはいえ、気づけなかった自分が歯がゆいです。そうかー、そういえばパラ様が彫った方は優しいタッチでほのぼのしてるけど、モリナスが彫った方はいろいろ毒がありますね。目がハートのフロエとか、言い争うカイムとアルティとか、ボインボインに描かれたあとに×で消されたパラ様の絵とか。しかし細かいもんだなぁと、スタッフの熱意に感嘆するばかりです。 シムーンの最終回はとても美しいと思います。Vガンダムや∀ガンダムなど、富野アニメの最終回にはある種の美しさがあって、それがとても好きなのですが、シムーンにもそれと同じか、それ以上のものがあったと思います。まさに「美しければそれでいい」という主題歌の通りに。過去に進み翠玉のリ・マージョンを伝えたリモネとドミヌーラ。何も選ばないことを選んだオナシアの後を継いで現在に留まったユン。男になること、女になることをそれぞれ選び、未来に進んだフロエ、パライエッタ、カイム、アルティ、モリナス、ロードレアモン。そして、永遠の少女であることを望み、どこにでもいて、どこにもいない存在となったアーエルとネヴィリル・・・。マミーナと同じ髪形をしているロードレアモン、楽しそうに中庭でお茶をするカイムとアルティ、男になってアルクス・プリーマの側で暮らしているフロエ(おそらくアーエルの事が忘れられずに)を見ているだけでも涙腺がゆるんでくるのに、最後、廃虚となったアルクス・プリーマの中で蓄音機のハンドルがコトリと落ち、流れ出すダンスの曲、そこで踊るアーエルとネヴィリルの幻影、そして、その壁に刻まれた、彼女たちの肖像。何度見ても、曲が途切れてエンドクレジットに入る頃には泣いてしまっています。いったい何なのでしょう、あの美しさは。 ともあれ、そんな大好きシムーンなのですが、なぜトップページの好きなアニメのところに名前がないの...

続・石動乃絵(9月2日 晴)

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アニメ「true tears」の放映終了、あの石動乃絵の涙から半年が過ぎ、ムック本も発売された今日この頃ですが、作画中に流す音楽はリフレクティアとセカイノナミダとアブラムシの歌、パソコンの壁紙はもちろん石動乃絵、夢の中にまで石動乃絵と眞一郎が出て来たりと、相変わらずNoefagな日々を送っています。放映中ももちろん夢中で、人に会うたびに強引にtrue tearsの話題を持ち出し布教を続けていたのですが、放映終了後も何度か通して見たりして、やっぱり名作だったなぁと、しみじみ思っています。一番好きなのは7話です。最終話は独りで歩いていく乃絵や、読めなくなった石文字を見つめている乃絵を見ていると泣きそうになるのでいけません。7話です。眞一郎に「もしかしてお前、俺が好きなのか?」と言われて真っ赤になる乃絵。「乃絵が好きだ」と言われて真っ赤になる乃絵。次回予告で「もっともっと、好きになっていい?」と言っている乃絵が大好きです。今回発売されたムック本を読むと、監督の眞一郎母LOVE、でなく、スタッフの方々の熱意というか、作品への真摯な取り組みがとても伝わってきて、ああ、俺もテキトーな漫画なんて描いてないで、もっとちゃんとしないとなぁ、頑張らないとなぁ、と思いました。というか、西村監督は比呂美LOVE過ぎるよ! もっと愛ちゃんのことも見てよ!

紅ミュージカル(5月29日 雨)

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好きなアニメーターはと聞かれると、キャラを五割増しでむちむちに描く金子ひらく、爆発大好き柿田英樹、直方体破片の中村豊、ゾイジェネの沼田誠也、サヴァイヴの滝口禎一などなど、挙げていけばキリがなないんですが、あえて一人選ぶとしたら、それは中村深雪という方です。 中村深雪の仕事を初めて意識したのは、レッドガーデンでの作画監督でした。もともとこのアニメのキャラクターデザインは藤純と石井久美による、外国の女の子であること、さらにはそれぞれの人種的差違までを意識した独特のものだったんですけれど、中村深雪はそれをより端正で、繊細な絵柄で描いていて、その美しさに、いっぺんで魅了されてしまいました。柔らかそうな肌の輪郭線、細くて繊細な首、彫りの深い眼孔のライン、高い鼻、ぷるっとした唇、美しく乱れる髪……それに加えて丁寧な芝居や、派手なアクション。レッドガーデンは毎週楽しみに観ていたアニメですが、予告映像で「お、来週は中村深雪が作監か!」と気付くと、次の放映が本当に楽しみだったものです。 そのレッドガーデンが終わってから一年あまり、またあの端正な絵柄が観たいなぁと思いながらいた頃、アニメ『紅』が始まりました。この紅は松尾衡監督以下、藤純や石井久美や古市裕一などのレッドガーデンのスタッフが揃っていて、OPの作画監督を中村深雪が務めていました。おお、これは、きっと本編でも作画監督を務めてくれるに違いない!と、毎週テレビの前で、まだかまだかとわくわくしながら観ていたのですが、3話まで観ても、4話まで観ても中村深雪が登板する気配はなく、おっかしいなぁと首をかしげていました。そして、ついに6話「貴方の頭上に光が輝くでしょう」です。この回は松尾監督自らが演出までを手掛け、声優陣のプレスコ演技、田中宏紀を始めとする原画陣の仕事も素晴らしく、さらにそれを中村深雪が作画監督としてあの端正な絵柄で見事にまとめていて、全体のクオリティが高い紅というアニメの中でも特に際立った、素晴らしいものになっていました。放映されてから一週間ほどは、あまりの衝撃に、毎日録画した6話を再視聴していたものです。 仕事机の前のコルクボードには、レッドガーデンの中村深雪作監回のキャプをプリントアウトしたものが貼ってあります。いつか、あのくらい美しい絵が描けるようになれたらなぁ、と願って。

石動乃絵(2月15日 晴)

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アニメ「true tears」が面白いです。   見始めたきっかけは、監督が西村純二だからなのと、シリーズ構成が岡田麿里だからで、ゲームが原作らしいけど(実際はタイトルだけ同じで、ほぼ完全オリジナル)、という程度の知識しかありませんでした。しかし、西村純二はシムーンで素晴らしいものを見せてくれたし、岡田麿里は個人的に今一番ノってる脚本家だと思っているので、この二人ならばかなり面白いものを見せてくれるだろうと、そういう期待から視聴をしていました。 とにかく驚いたのは、その日常描写の細かさです。ああ、そうそう、髪の長い子が走るとこういうふうに髪が揺れるよね、とか、コートを着た女の子がしゃがむ時は、膕(ひかがみ)に手を入れるんだよね、とか、タコさんウィンナーを炒める時の油ってこういうふうだよね、とか、歯磨き粉をつける時ってこういう手首の動きをするんだよね、とか、あまりに「普通の仕種」を描くことに貪欲で、毎週舌を巻くばかりでした。普通アニメでは止め絵で描かれるモブを全部動かしてやろう、という意気込みも、素晴らしいと思います。 今週放映された6話では、みよきちの顔芸とか、湯浅比呂美の口パクとか、バスケのディフェンスの子の乳揺れとか、もちろん作画的な見どころも沢山あったのですが、お話の方も大きく動いて、俄然、目が離せなくなってきました。今一番楽しみにしてるアニメです。しんいちろーのベルトを腰にまいて、おしりふりふり、料理をする石動乃絵・・・ちくそう、かわいすぎるぜ。