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紅ミュージカル(5月29日 雨)

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好きなアニメーターはと聞かれると、キャラを五割増しでむちむちに描く金子ひらく、爆発大好き柿田英樹、直方体破片の中村豊、ゾイジェネの沼田誠也、サヴァイヴの滝口禎一などなど、挙げていけばキリがなないんですが、あえて一人選ぶとしたら、それは中村深雪という方です。 中村深雪の仕事を初めて意識したのは、レッドガーデンでの作画監督でした。もともとこのアニメのキャラクターデザインは藤純と石井久美による、外国の女の子であること、さらにはそれぞれの人種的差違までを意識した独特のものだったんですけれど、中村深雪はそれをより端正で、繊細な絵柄で描いていて、その美しさに、いっぺんで魅了されてしまいました。柔らかそうな肌の輪郭線、細くて繊細な首、彫りの深い眼孔のライン、高い鼻、ぷるっとした唇、美しく乱れる髪……それに加えて丁寧な芝居や、派手なアクション。レッドガーデンは毎週楽しみに観ていたアニメですが、予告映像で「お、来週は中村深雪が作監か!」と気付くと、次の放映が本当に楽しみだったものです。 そのレッドガーデンが終わってから一年あまり、またあの端正な絵柄が観たいなぁと思いながらいた頃、アニメ『紅』が始まりました。この紅は松尾衡監督以下、藤純や石井久美や古市裕一などのレッドガーデンのスタッフが揃っていて、OPの作画監督を中村深雪が務めていました。おお、これは、きっと本編でも作画監督を務めてくれるに違いない!と、毎週テレビの前で、まだかまだかとわくわくしながら観ていたのですが、3話まで観ても、4話まで観ても中村深雪が登板する気配はなく、おっかしいなぁと首をかしげていました。そして、ついに6話「貴方の頭上に光が輝くでしょう」です。この回は松尾監督自らが演出までを手掛け、声優陣のプレスコ演技、田中宏紀を始めとする原画陣の仕事も素晴らしく、さらにそれを中村深雪が作画監督としてあの端正な絵柄で見事にまとめていて、全体のクオリティが高い紅というアニメの中でも特に際立った、素晴らしいものになっていました。放映されてから一週間ほどは、あまりの衝撃に、毎日録画した6話を再視聴していたものです。 仕事机の前のコルクボードには、レッドガーデンの中村深雪作監回のキャプをプリントアウトしたものが貼ってあります。いつか、あのくらい美しい絵が描けるようになれたらなぁ、と願って。