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岡嶋二人盛衰記(9月16日 雨)

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最近読んだ本の中では「おかしな二人 岡嶋二人盛衰記」が群を抜いて面白かったです。小説などまるで書いた事のなかった二人が、 「乱歩賞を取れば印税が貰えて小説家になれる!」 と、 創作意欲からではなく就職活動として 推理小説を書き始め、コンビの小説家「岡嶋二人」としてデビューし、そしてその後のコンビ解消に至るまでを綴った作品です。違った個性を持つ二人の人間が出会い、そして別れるまでを描いた小説として読んでも非常に面白いのですが、小説を書くにおいてぶつかる諸問題とそれを解決する具体的な方法もふんだんに記述されていて、創作する側の人間としてもとても参考になりました。 岡嶋二人と言えばドラマで見た「クラインの壷」が面白かったので原作を買い他にもう何作かを読んでいて、かなり多作なイメージがあったので、「ああ二人だとアイディアもバンバン出るし執筆速度も2倍だし、そりゃ量産できるよな」とか勝手に思っていたのですが、これを読むと執筆当時の苦吟が伝わってきて、本当に勝手な事思っててごめんなさいと思いました。

気持ち悪い(8月6日 晴)

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エヴァの新劇場版「破」を観に行って思ったことは、自分がアヤナミ派ではなくアスカ派だった、という事です。だから、アスカが乗ってない弐号機が大暴れしたって全然嬉しくなかったにゃー……。 んで、10数年ぶりにエヴァ熱が再発したんでTVシリーズと旧劇場版を見直したんですが、こう、惣流さんがとても可愛いんですよ。当時は「かっけーエヴァかっけー!」とか「やべー補完計画とか超謎過ぎて興奮するー!」とか、まあそんな感じで夢中になってたんですけど、いま見直すと、もう、惣流・アスカ・ラングレーの魅力にメロメロです。特に旧劇場版26話の、あのリビングでのシンジをゴミのように見下ろしたあの目! 「アンタが全部私のものにならないなら、私、何もいらない」というあのセリフ! Sie ist das Beste! Ich liebe sie!! なので、Qでは式波大尉が大活躍するって信じています。いやもうマジで、旧劇以上のアスカ無双を頼みますよホント。

石の漫画(1月8日 晴)

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唐突ですが石の話でも。小学生低学年の頃から石が大好きで、登下校の時は常に下を向き、何かいい石が落ちてないかと捜しまわっていました。公園では砂利の山をほじくり返して遊び、石英を見つけると大喜び。愛読書は小学館学習百科の「化石と岩石・鉱物」。国立科学博物館に年に1度は通い、背伸びしながら鉱物標本をうっとりと一日中眺めて、帰りにはミュージアムショップで黄鉄鉱や紫水晶の標本を買って帰りました。中学生にもなると自分の小遣いでハンマーとタガネを買い、休み時間に校庭や裏の駐車場を歩き回っては良さそうな石を探し、ハンマーで割って断面をルーペで観察し、誕生日プレゼントにとせがんで買ってもらった鉱物図鑑と照らし合わせ、手製の標本箱を幾つもこさえてました。将来の進路は秋田大学(日本で唯一の鉱山学部があったのです)だと決めていた頃の話です。今でも時間があればそこらの河原でも駐車場でも一日中石を拾って過ごしたいのですが、時間がないのと人目が気になるのとで、できません。 ところで、石を題材にした漫画というのは、意外に少ないような気がします。有名なのは「無能の人」ですが、もっとこう、地学部マンガとかあってもいいと思うんです。人生に疲れたり、あるいは迷ったりしているクラスメイトや先生、近所の人、京都の大富豪、外国人落語家などを、地学部に所属する主人公が豊富な石の知識で救うという、そんなハートフルな人情鉱物漫画。 「ごらんなさい、この広大な鍾乳石群を」 「Oh.ワンダホー。こんなスバらしいケシキはハジメテデース」 「これができるまで、どれだけの時間がかかるかわかりますか? 水分に含まれるわずかな炭酸カルシウムが、天井から垂れる際に次第に、次第に結びつき、成長していく。わずか数センチ育つのに、何百年もかかると言われています」 「ソンナニ」 「たかが1年や2年の努力が報われなかったからって、何だというんです。努力とは、積み重ねだ。一朝一夕で得られるものなどないんですよ」 「石岡サン・・・」  とか。 「ごらんなさい、この見事な桜石を」 「見事や、なんとまぁ、美しい満開の桜や! 冬に桜を見せろっちゅう、わいの無理難題に、こんな答えがあったやなんて」 「桜石の模様がどうやって生まれるか知ってますか。ホルンフェルス中に生成した菫青石が変質し、絹雲母や緑泥石になって出来るのです。そうした偶然が幾つも幾つ...